調査対象銘柄の探し方(3)

チャーリー・マンガ―は3つの対象銘柄発掘方法を推奨しています。
(1)有能な投資家の真似をする
(2)自社株買いしている会社
(3)スピンオフ

今回は、(2)について考えてみます。

自社株買いは、企業が市場で自分の会社の株式を購入することを指します。なんでこんなことをするのでしょうか?株価は、一株あたり利益(EPS)x 株価収益率(PER)の2つに分解することができます。EPSは、利益 / 発行済み株式数 です。つまり、自社株買いをする → 発行済み株式数が減る → EPSが上がる → 株価が上がる とつながっています。

自社株買いは配当と並ぶ株主還元の重要な手段ですが、日本では残念ながら、自社株買いを行う会社は少ないです。日興アセットマネジメントのレポートによれば、2015~2016に自社株買いした企業は180社。上場企業が3500社あることを考えると、ほんの5%程度です。

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継続的な自社株買いをするということは、(1)本業からフリーキャッシュフローを生み出せている(借入して自社株買いする場合を除きます)、(2)株主還元意識が高い、という2つが言えると思います。

最後に、ダイヤモンドオンラインの記事に年別の自社株買いの状況がまとめられています。

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企業は先行きの見通しがよいときに自社株買いする傾向にあります。でも、そういうときは世の中全般が楽観的であり、株価も高いことが多いです。株価が高いときに自社であれ他社であれ株を買うのは、好ましくありません。2009年のように株価が安いときに積極的に自社株買いできる企業はとても優れていると思います。

自社株買いしている企業のみなさま、ありがとうございます!

調査対象銘柄の探し方(2)

日本の優秀な投資家の保有銘柄の調べ方として、昨日は投資信託の月次報告書をみる方法を紹介しました。

今日は、大量保有報告書の調べ方です。ある投資家が企業の株式の5%以上を取得した場合、5営業日以内に大量保有報告書を提出することが義務付けられています。いったん大量保有報告書を提出すると、その後は持ち分が1%増減するたびに、変更報告書を出す必要があります。

まず、EDINETという金融庁の開示データベースにいきます。

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次に、書類検索をクリックします。昨日と同様、ひふみ投信大量保有報告書を調べてみましょう。提出者はひふみ投信を運用する「レオスキャピタルワークス」、書類は「大量保有報告書」、期間は「過去1年」とします。

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ずらずらっと結果が出てきます。。。

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一番上の、9月29日に提出されたウェルネット(2428)。先日、私も株主総会に出席しました(ブログはこちら

のPDFファイルをクリックすると、

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このように保有割合が1%減少したことが分かります。直近において、ひふみ投信ウェルネットを売却していたようです。さらに3ページ目を見ると、現在の保有残高が7.78%で、前回の8.96%から減少しています。その下では、日ごとの取引も分かります。

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こんなに手の内を明かしていいのか、と思うほどの内容です。例えば、ひふみ投信ウェルネット(2428)の保有残高がまだ8%弱もあるので、しばらくは売り圧力が続きそうという想像ができます。

是非、注目する投資家の取引状況を追跡してみてください。

金融庁のみなさま、ありがとうございます!

調査対象銘柄の探し方(1)

ウォーレン・バフェットの相棒であるチャーリー・マンガ―は、魅力的な銘柄の探し方について3点あげています。

(1)有能な投資家が保有している会社
(2)株式を買い戻している会社
(3)スピンオフされた会社

(1)について、日本では2つの方法があります。

投資信託の場合、月次運用報告書の形で、保有株式上位10社が見れるファンドがほとんどです。例えば、藤野英人さんが率いるレオスキャピタルワークスのひふみ投信。2008年9月の運用開始以来、基準価格を3倍以上(年率16%)に増やしている、国内中小型株投資信託の代表選手です。

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直近の2016年8月度の運用レポートを読んでみます。3ページ目に、銘柄紹介があります。上位10社が開示されています。

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気に入ったファンドの組み入れ銘柄を定期的に観察することで、投資アイディアを得ることができます。無料で、有能な方々のお眼鏡にかなった銘柄を教えてもらえるのですから、お薦めです。

ひふみ投信のみなさま、ありがとうございます!

売買ルール(まとめ)

これまで、4つの売買ルールを紹介してきました。

(1)いくらで買うか
(2)何株買うか
(3)どのように注文発注するか
(4)いつ売るか

これまで株式投資を6年くらいやってきましたが、ようやくこの半年くらいになって売買ルール作りの重要性に気づきました。市場が動くたびに、「売るべきか?何株売るべきか?もっと買うべきか?何株買うべきか?」とその都度考えていると悪い判断をする確率が増えますし、なにより疲れます。ルールを決めたことで、意思決定がとても楽になりました。これからは、個別の投資判断ではなく、ルールをより良いものにしていきたいと思っています。

売買ルールの参考資料として、以下の2冊がお薦めです。

 読者のみなさま、よい週末をお過ごしください!

株主総会の有名人、橋本和夫氏を目撃

橋本和夫氏をご存じでしょうか?2016年6月の産経ニュースによると750社の株主で、色々な株主総会で不規則発言を繰り返しているそうです。

www.sankei.com

昨日のウェルネット株主総会にもいらっしゃいました。最前列に座り、青いつばの広い帽子をかぶってとても目立っているおじいさん。出席株主番号1番ということで、会場に1番乗り。6月期決算の会社は少ないので、今の時期の株主総会も少ないですから、気合が入っていたのでしょうか。いったい何時からいらっしゃってるんでしょうか。

質問も1番乗り。どこかの総会を追い出されたのは間違ってるという趣旨のあと、「あなたは創業者なのか?」と質問。。。。株主総会は社会的地位ある上場企業の経営陣などの注目を集めることができるので、趣味なのかなと思いました。会社によっては5万円足らずで株主になれて発言権が与えられるわけですから、話相手のいないお年寄りにとっては魅力的なのかもしれません。橋本氏は総会によっては、「議長解任!」と叫ぶそうで、世直しヒーロー気分なんでしょうか。仮に1社5万円としても750社買うには4000万円ほど必要なので、橋本氏は資金持ってますね!

そのような株主の行動は興味深くはありますが、せっかくの経営陣と株主の対話の機会が損なわれるようで、残念です。私は、よい判断ができる個人投資家が増え、資本市場がよりよく機能することを強く願っています。まだまだ道は遠いですが、ウェルネットは質疑応答も活発だったので嬉しかったです。

株主総会に出席したみなさま、ありがとうございました!

ウェルネット(2428)の株主総会へ行ってきました

午後2時から有楽町の東京国際フォーラムで、ウェルネット(2428)の株主総会がありました。100名ほどの参加者でした。今回、初めての参加でしたが、事前に午後1時から経営報告会があるという記載を見落としており、貴重な情報収集の機会を失ってしまいました。。。

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当社はコンビニなどでの決済代行の大手です。過去3年間、EC業界の成長とともに決済事業が成長、かつ株主還元100%+取得した自己株全て消却するという、強い主力事業+高い株主還元姿勢がそろった日本企業には珍しい企業と高く評価されてきました。日本では自己株取得はもちろん、消却する会社はもっと少ないですから、私も高く評価してきました。

ところが、株価は2016年6月期の決算発表を受けて急落。。。今後5年の中期経営計画が新規事業に大きく投資する内容で、びっくり。これまでB-to-Bでインフラを提供することが多かった当社が、これからはバスモリ!や支払秘書といったスマホアプリを拡販して決済プラットフォームを作るようです。70名ほどの会社に新規事業をやる人材がいるのか?年間10億も投資が必要なのか??というか、高速バスをよく利用する身としては、アプリが使いにくい。。。などなど、疑問は満載です。

経営報告会に参加した方から後で聞いた、5年後に経常利益50億円の根拠です。既存事業で30億。新規事業のうち、バス市場で14億(7000億市場 x 10%シェア x 2%決済スプレッド)、支払秘書で紙ベース決済の代替で7億(700億市場? x 1%決済スプレッド)。

この話、下の2010年6月期に発表した2011年6月から5年間の経営計画にそっくりです。このときは結局、新規事業もM&Aも全く成果を出せず、既存事業で目標より1年遅れた2016年6月に経常利益20億を達成しました。では、そのときと何が変わったのか?宮澤社長は、前回の新規事業のケータイチケット事業の失敗要因を、新規事業専属の社員を任命しなかったことにあると考えているそうです。前回は兼業社員3人+外注5人。今回は、専属社員8人+外注22人の30人部隊。たしかに、気合の入り方は違いますが、果たして人数が勝負のポイントなのでしょうか?

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総会に出席した印象としては、新規事業成功への手応えはつかめませんでした。ただ、私が宮澤社長を拝見するのは初めてなので、過去と比較してどうかということは言えません。メインシナリオとしては、前回の中期経営計画同様に、新規事業は成功しない。既存事業は、コンビニ依存なので徐々にカード普及などにおされて、EC市場の伸びにはついていけない。かつ、EC大手の力が強まるにつれ、価格交渉でも劣勢に立たされる気がします。前からそう思っていたのに、楽観的な収益予想で購入してしまった自分の間違いでした。

ただ、売買ルール(4)に照らして損が出ている間は2年間売却しませんよ!これは針のムシロルールですね。

ウェルネットのみなさま、今日はありがとうございました!

売買ルール(4)

ここまで紹介した売買ルールです。

(1)購入価格を決めるルール
(2)購入株数を決めるルール
(3)発注方法を決めるルール

ここまでで、ポジションを取ることができました。

今回は、株価変動に対して私がとっているルールを紹介します。

(1)株価が購入価格から上昇した場合。何もする必要はないです。本質価値になるまで粘り強く待ちます。

(2)株価が購入価格から下落した場合。購入から2年以内は売却しません。短期的要因で株価が下落したとしても、2年経てば投資理由が発現するのが一般的です。2年たっても株価が下がっているのであれば、自分の投資理由が間違っていた可能性を考えます。こちらは、Mohnish Pabrai氏の真似です。

 株価が上がっても下がっても、短期的な株価変動に惑わされてロスを出したり、小さな儲けで売却しないよう、自らの行動を縛るルールとなっています。

数々の売買ルールを教えてくれるMohnish Pabrai氏、ありがとうございます!