調査対象銘柄の探し方(5)―第一興商にみる自社株買い効果

昨日取り上げた大東建託は14年間、年率4%で発行済み株式数を減らしました。同じく長期間にわたって自社株買いを行っている企業として、今日は第一興商(7458)を取り上げます。

馴染みのない固い名前ですが、業務用通信カラオケのトップシェアです。通信機器本体ではなく利用料を通じて安定的に稼げるビジネスモデルを構築しているので、カラオケ業界は頭打ちながら潤沢なキャッシュフロー創出能力があります。

2002年に500円投資して14年間保有していれば、株価の値上がりと配当を含めて5010円受け取れたことになります。10倍、年率換算18%です。この計算には配当の再投資によるリターンを含めていないので、実際にはさらに高いリターンになります。

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リターンを分解すると、以下のようになっています。

売上増加(年率3%)
x 利益率改善(年率7%)
x 自社株買い(年率2%)
x バリュエーション改善(年率5%)
x 配当(年率1%)         
計 年率18%

本業が10%、バリュエーションが5%とリターンの大半を占めることから、自社株買い以前に成長余力のある事業を安く買う事の大切さを再確認します。しかし、年率2%と聞くと小さく感じますが、複利でチリも積もるとバカにできません。下の図にまとめたように、年率18%、16%の複利を14年間続けると、元手が10倍になるか、8倍になるかという大きな違いがあります。

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年率18%も16%も素晴らしいリターンであることには変わりありません。自社株買いの効果について書いていたつもりが、結局は数少ない競争優位性の持続できる事業を、バリュエーションが安くなったときに買うという基本が大前提ですね。